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2015.07.26

木綿のハンカチーフ

太田裕美の『木綿のハンカチーフ』を久し振りに聴いて、純朴な歌詞に微笑ましい印象を持った。

今の世相と当時との断層は、今のアメリカ文化礼賛の拝金主義のカウンターカルチャーとしてソ連の偶像的なマルクス主義が日本独自の国家主義と融合し、それがソ連崩壊やプラザ合意という海外からの影響で消失してしまったことにあるように思う。

年金、福祉、果ては国鉄に代表されるような大組織の労組や高等教育機関などには、社会主義を借景とした社会的な理想主義が当時存在し、都会に対する地方、強者に対する弱者への眼差しが存在していた。だから今日、年金や医療保険制度はそれを支えていた思想・発想を理解するものが無く、アメリカ的な再解釈で制度改革しようとしている。

アメリカ自身もまた、政治的だけでなく思想的にマルクス主義が学生の間にブームとなり、『いちご白書』などの映画に見られるように学生運動などの資本の論理の暴走に対するバランスを支えていたと、今となっては思う。

『木綿のハンカチーフ』では上京する彼と田舎に残された彼女とが丁度その2つの立場をシンボリックに対置されていたが、今日では、もう田舎の彼女のように木綿のハンカチーフを願う健気で純朴な姿勢は存在しなくなっただろう。

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