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2004.09.19

第3回シナリオ創発ワークショップに行ってきた

チャンス発見コンソーシアム主催の「第3回
シナリオ創発ワークショップ」が両国の江戸
東京博物館会議場で昨日開催された。

資料もきちんと論文形式で印刷したもので
盛りだくさんの講演も企業の宣伝臭みたいな
ものがなくきわめてアカデミックかつ実践的。
会場も広くてきれいで、5千~1万円程度の
参加費を徴収しても全く違和感が無い。
なのに、これが無料というのは参加者にとって
は、とてもありがたい。
130名の参加予定者ということだったが、
多くのスポンサーがこのコンソーシアム
を支えているのが伺える。
社名が分かっただけでも博報堂、ジャスト
システム、沖電気、ソニー、CRCソリューシ
ョンズなどの錚々たる顔ぶれだった。

大澤先生のキャラクタと研究者の裾野の広さや
陣容、支援する民間企業の注目度や成果などから
このコンソシアムは、これからこのデータマイニ
ング分野では一定の地位を獲得するまでに至るの
ではと期待させられた。
また、それに伴ってキーグラフやPolarisといった
ツールも認知度が上がっていけば、独占販売代理店
などによるライセンス提供やサポートといった
マスを意識した展開を検討すべき時期が来るかも
しれない。
また、それによって、コンソシアムの研究費や
経費が潤うといった良い循環が生まれれば発展の
方向性としてすばらしいのでは、と思われた。

懇親会で、何人かの方に、なぜこの会に参加しているのか
と尋ねられて、次のように答えたのを覚えている。
コンピュータの適用分野というのは、インター
ネットの普及が一段落した後、マルチメディアと
セキュリティの方向に舵をきったように見える。
しかし、これらは消費拡大であってこれからの
大本命は、Googleに象徴されるコンピュータを
利用した意思決定支援や概念形成を支援する
Computer Aided Knowledgeのような分野だと思っている。
AIやKMといった分野がごくごく自然にマイクロソフト・
オフィスなどのアプリケーションに組み込まれて行く
と思う。
そのために今、最も必要なのは意味概念の可視化
の技術で、これはSOM(自己組織化マップ)などが
有名だが、デファクトのツールがなかなか高価で
敷居が高い。そこで悩んでいるときに、『チャンス発見
の情報技術』(いわゆる黒本)を読んでキーグラフを知った。
そこで、それまでK-means法によるクラスタ分類で限界
を感じていた、コンピュータを使った認知の支援
に光明が見えてきた。
懇親会の中でも、K-means法を使った場合の
ノイズに対する弱さに対して同じ見解が得られたし、
キーグラフの持つ、頻度が低くても特異点がアウトプット
に埋もれずに得られる長所について話題が出ていた。

以下、個人的に印象に残った事柄を記録する。

角 康之さん(京都大学大学院、ATRメディア情報科学研究所)
発表のデモにあった、シリンダ型の3次元ブラウザ
が個人的に印象深かった。透明なパイプというか土管の
ようなものがあり、時間軸は上から下へ流れる。特定シーン
の画像コンテンツがシリンダの内側にアイコン形式で
貼り付けられ(透明な土管の中の展覧会の絵のよう)
があり、そこに関係する人のコンテンツ同士が
線で結ばれている。
私は、エドガーケイシーなどが言っていた
いわゆる「アカシック・レコード」を連想した。
人が一つの土管としたときに、人生に関連のある
人物たちや、どういったイベントが起きたかを
この土管の絵や絵同士を結ぶ線の太さを見れば
一目瞭然だ。

横山美和さん(東京大学大学院)
コンピュータ業界にはあまり見かけない、
雰囲気を持った美人で、やはり
美術系から、民放のビジネス界、そして
アカデミーの世界へとエネルギッシュに
自己を追求している方。
院での研究をこなしながら、ラジオコンテンツ
の放送作家の仕事をされているそうで、(すごい)
デモの内容も番組のシナリオを過去の情報から
簡単に組み立てるという内容だった。
こうした、いかに過去の成果物を再利用するか
というのは、ナレッジマネジメントの真骨頂だが
データの蓄積にそれなりの準備が必要なように
見受けられた。
これは、私が進めようとしている個人向けの
文書管理と方法論として似通っているという
印象を持った。
新たなコンテンツを製作する際に
過去の資産(情報)を活用して創作時の
情報支援としていかに役立たせるか。
データの蓄積などのシステムの裏の部分や
構築の苦労話などは、あまり触れられていなかった
のが少し残念で、こうした話や解決のノウハウは
結構汎用的に有効なのではないかと思う。
(以下、ちょっと脱線)
人間というのは外形が美形であればあるほど、
得をする部分も有り、損をする部分もある
だろうなあと感じた。

伊藤貴一さん(慶応義塾大学大学院)
キーグラフではなくSOMを使ってのシナリオ創出
がテーマで個人的には非常に面白かった。
そこでSOMの限界性についての指摘があった。
長方形のフィールドに散布世界を封入することで
わかりやすさを獲得する反面で、距離と意味の違
いとの間の相関関係の厳密さが失われているので
はないかという意見は納得がいく。
SOMでも、長方形の端どおしは実は結びついていて
関連性が高いのではないかという問題提起も
面白いと思った。
カズタマなんかの世界では割と当たり前のように
出てくる。
一番下は一番上と接している。
象徴は、ある条件で反転して逆の位相になる。
易学の世界と似ている。
決して突飛な発想ではない。
また、独自に考案されたSOMの結果
を認知距離と信頼度差の相関図であらわした分布のうち
異端にあるものに特徴的で面白いという指摘も
興味深い。
これは、会社組織でも同じではないかと思った。
ありふれたルールは安全だけれど、意外性は無い。
未来を形作るのは
相関集合のエッジの部分、そこの部分に着目する
ことによって大きな利益を狙える。
これは、株や先物など投機(と言っていいのかどうか)
に共通して言えること。ノーリスク・ノーリターン。
SOMはSPSS社のクレメンタインを利用されているとの
ことであったが、素人には高くて手が出せない。
結局ヘルシンキ大学からソースをダウンロードするしかないのか。
Excelにはクラスタの機能などが付いてきているようだが、
一歩進めてSOMなどの機能も提供できないだろうか。

山口孝さん(筑波大学大学院)
キーグラフの図をビジネス界に適合してみて効果を見る
という研究を通して、図を誰がどう解釈すべきかという
問題が提起されていた。
キーグラフの図が別名マンダラとか静止画とか
呼ばれているらしい。
博報堂の司会者(お名前を失念)の方はしきり
に多人数によるコラボの効果を引き合いに出して
いたが、逆にキーグラフの結果をマンダラだと
開き直ったとすれば(そして、それは正しい理解
だと思うが)ホロスコープや易や四柱推命などに
おける解釈の問題と非常に近い様相を帯びるのでは
と思われた。
占いの世界では、アマチュアや研究団体が研究段階で
多人数の解釈を競い学びあうことは有意義だが、
商用段階というか、プロの人たちは決してそういう
多人数のコラボを信用していないように見える。
素人は、手続きにこだわりすぎて、次から次へ出る
解釈法を勉強するだけで時間を浪費する。

プロはどうも、アマチュアほど技法に
拘らず本人の得意な手法を使いこなして
危なげなく解釈する。実戦経験というか
マンダラ(メタ情報)とリアルな現実との関係が
より濃密にインプットされているので、
現実と象徴の間を双方向にダブルチェックするような
イメージ。例えば、「こういう出方をする場合は
大抵こんな場合が多いよ」とか。
そういう意味で、キーグラフのインタープリター
としてのコンサル業務というのは一定のニーズが
あるのかも知れない。
あと、見る相手が会社組織と個人という違いは
あるかもしれない。

懇親会でお話した方の中でも、キーグラフや
Polarisの高度な使い手の方々は、各々、様々な
ノウハウやテクニックを使われているようだった。

ともあれ、出てきた図を誰(と誰)が、どういうスタイル
で解釈するかというのは、創出されるシナリオに
かなり影響を与えるということは確かなようだ。
従って、技術工学面だけでなく、解釈論についても
今後、様々な議論が出てくるだろうと思う。

たまたま懇親会で偶然にも大澤先生の向かいに
座ったおかげで、直接お話をお伺いできて感動
でした。(シャツにでもサインしてもらえば良かった・・・)

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2004.09.10

フルキーボードつき携帯電話登場

ついに出た!
一見縦長の携帯電話、しかし開くとフルキーボードを備えたPDA。
Nokia 9300

このデザインは、こんなのが出たら良いなあと、前々から考えて
いたそのものだ。ディスプレイがやや小さいので、将来的には
画面が有機ELの折りたたみ式(あるいは巻き込み式)の超薄型
ディスプレイが付けば何の支障も無い。

また、サムスンはCDMA2000 1x EV-DO携帯電話に1.5GのHDD
を付けた。
SPH-V5400

携帯電話とPDAと小型PCは、どんどん垣根が無くなって融合していく
に違いない。それらは持ち歩き式の個人用総合情報端末になる。
これを、別々のものとして進化させようとしているが
方向性において迷宮入りしつつあるように見える。
個々の技術要素に関しては日本が超小型化の先鞭をつけているが
それらを生かしきれずに他国に持っていかれるのではないか。

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